CHANEL、Hermès、Cartier、Van Cleef & Arpels、Rolexなどのハイブランドでは、近年、国内定価の値上げが繰り返されています。
「また値上げする前に買った方がいい?」「バッグとジュエリーでは、どちらが上がりやすい?」「香水まで買いだめするべき?」「値上げした商品は資産価値も上がる?」と気になっている人も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、2021年以降、今回追跡した代表的なハイブランド商品は、バッグ、服、ジュエリー、腕時計、香水のすべての部門で値上がりしています。
代表15商品の年率換算値上げ率は、中央値で約8~11%でした。
特に大きく上昇したのは、次の商品です。
- CHANEL「クラシック 11.12」:2021年から約2.4倍
- Cartier「タンク マスト SM」:2022年から約2倍
- Van Cleef & Arpels「ヴィンテージ アルハンブラ ペンダント」:2021年から約1.7倍
ただし、過去の値上げ率をそのまま未来へ延長するのは危険です。
CHANELのように短期間で価格帯そのものを引き上げたブランドや、モデル変更を含む商品では、これまでと同じ速度で上昇し続けるとは限りません。
2027年の基本シナリオでは、バッグは3~10%、服・アウターは3~8%、ジュエリーは5~10%、腕時計は4~9%、香水は3~7%程度の値上げが想定されます。
この記事では、2026年8月6日時点の国内定価を基準に、人気商品の値上げ推移、部門別の特徴、2027~2028年の価格予測、値上げが続く理由、今買うべき商品と急がない方がよい商品まで詳しく解説します。
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- まず結論:2027年もハイブランドの値上げは続く可能性が高い
- 今回の調査条件
- 代表15商品の値上げ実績と2027~2028年予測
- バッグの値上げ推移と今後の予測
- 服・アウターの値上げ推移と今後の予測
- ジュエリーの値上げ推移と今後の予測
- 腕時計の値上げ推移と今後の予測
- 香水の値上げ推移と今後の予測
- なぜハイブランドは今後も値上がりしやすい?
- 今後の値上げ予測が上振れする条件
- 値上げ予測が下振れする条件
- 値上げ前に早めの購入が合理的なケース
- 値上げしても急がない方がよいケース
- 値上げすると資産価値も上がる?
- 部門別|今買う優先度
- ハイブランドを購入する前のチェックリスト
- よくある質問
- まとめ:購入意思が固い定番品は、価格予測より現在の条件を重視
まず結論:2027年もハイブランドの値上げは続く可能性が高い
| 部門 | 代表商品の年率換算中央値 | 2027年の予想値上げ率 | 主な上昇要因 |
|---|---|---|---|
| バッグ | 約10.8% | +3~10% | 円安、レザー・職人コスト、希少性政策 |
| 服・アウター | 約7.8% | +3~8% | 素材費、縫製費、物流費、モデル更新 |
| ジュエリー | 約11.4% | +5~10% | 金・貴金属価格、為替、加工費 |
| 腕時計 | 約10.7% | +4~9% | スイスフラン、製造コスト、世界価格調整 |
| 香水 | 約11.0% | +3~7% | 香料、ガラス、包装、物流費 |
今後も特に上がりやすいと考えられるのは、金を多く使うジュエリー、希少性の高いバッグ、世界価格の調整を受けやすい腕時計です。
一方、服や香水は値上げする可能性があっても、サイズ、使用頻度、保管期限などを考える必要があります。
値上げするから買うのではなく、値上げ後も結局欲しい商品か、長く使う予定があるかを基準に判断することが重要です。
今回の調査条件
- 基準日:2026年8月6日
- 原則として日本国内の税込定価を比較
- 同一リファレンス、同容量、同素材の商品を優先
- 完全な同一SKUを追えない衣料や一部時計は後継モデル系統で比較
- 累計値上げ率は「現在価格÷過去価格-1」で計算
- 年率換算は観測月数を用いた複利計算
- 2027・2028年予測は、過去の急上昇率をそのまま外挿せず、部門別の持続可能な範囲へ調整
ハイブランド各社は、商品ごとの販売数量をほとんど公開していません。
そのため、この記事における「人気商品」は、次の要素を代理指標にしています。
- 公式で長期間販売されている定番性
- ブランドを代表する知名度
- 中古市場での流通・認知度
- 継続的に後継モデルが販売されていること
売上個数を基準にした公式ランキングではない点に注意してください。
代表15商品の値上げ実績と2027~2028年予測
以下の予測価格は、過去の値上げ率をそのまま当てはめたものではありません。部門ごとの基本予測率を使い、ブランドで採用されやすい価格刻みに丸めた概算です。
| 部門・商品 | 国内定価の推移 | 累計上昇率 | 年率換算 | 2027年予測 | 2028年予測 |
|---|---|---|---|---|---|
| CHANEL クラシック 11.12/25 | 2021年 78.65万円 → 2026年 192.5万円 | +144.8% | 約21.6% | 202~212万円 | 212~233万円 |
| Louis Vuitton ネヴァーフル MM | 2021年 19.47万円 → 2026年 28.82万円 | +48.0% | 約7.3% | 29.7~30.8万円 | 30.6~33.0万円 |
| Lady Dior ミディアム | 2021年 59.95万円 → 2026年 99.5万円 | +66.0% | 約9.8% | 103.5~107.5万円 | 107.5~116万円 |
| Hermès ピコタン・ロック18 | 2022年 37.07万円 → 2026年 57.86万円 | +56.1% | 約11.8% | 61.3~63.1万円 | 65.0~68.7万円 |
| Burberry ロング・ケンジントン | 2022年 29.7万円 → 2026年 38.5万円 | +29.6% | 約6.2% | 39.7~40.8万円 | 40.8~43.3万円 |
| Moncler Maya ショートダウン | 2023年 26.07万円 → 2026年 32.67万円 | +25.3% | 約7.8% | 34.0~35.3万円 | 35.3~38.1万円 |
| Max Mara 101801 マダム | 2024年 60.61万円 → 2026年 70.73万円 | +16.7% | 約8.8% | 73.6~76.4万円 | 76.5~82.5万円 |
| Cartier LOVEリング クラシック | 2022年 26.07万円 → 2026年 35.86万円 | +37.6% | 約10.6% | 38.0~39.4万円 | 40.3~43.4万円 |
| VCA ヴィンテージ アルハンブラ ペンダント | 2021年 31.35万円 → 2026年 53.9万円 | +71.9% | 約11.4% | 57.1~59.3万円 | 60.6~65.2万円 |
| Tiffany T スマイル ペンダント スモール | 2023年 15.62万円 → 2026年 24.75万円 | +58.5% | 約16.6% | 26.0~27.2万円 | 27.3~29.9万円 |
| Rolex サブマリーナー 124060 | 2021年 89.76万円 → 2026年 149.49万円 | +66.5% | 約10.7% | 155.5~161.5万円 | 161.5~174.5万円 |
| Cartier タンク マスト SM | 2022年 31.02万円 → 2026年 61.6万円 | +98.6% | 約18.7% | 64.7~67.1万円 | 67.9~73.2万円 |
| Omega スピードマスター ムーンウォッチ | 2021年 73.7万円 → 2026年 116.6万円 | +58.2% | 約8.7% | 121.5~126万円 | 126~136万円 |
| CHANEL N°5 EDP 100ml | 2024年 2.31万円 → 2026年 2.827万円 | +22.4% | 約11.1% | 2.94~3.02万円 | 3.06~3.24万円 |
| Jo Malone イングリッシュ ペアー&フリージア 100ml | 2024年改定前 2.024万円 → 2026年 2.486万円 | +22.8% | 約10.8% | 2.56~2.64万円 | 2.64~2.79万円 |
Burberry、Max Mara、ネヴァーフル、Cartier タンクなど、一部の商品には品番変更、素材変更、仕様更新を含む「モデル系統」の比較があります。
完全に同一のリファレンスを追跡できた商品と比べると、純粋な価格改定率としての信頼度は下がります。
バッグの値上げ推移と今後の予測
バッグ部門では、今回追跡した商品の年率換算中央値が約10.8%でした。
ただし、同じバッグでも、ブランドによって上昇の背景は異なります。
CHANEL|クラシックバッグは突出した値上げ
CHANEL クラシック 11.12は、2021年の78万6,500円から、2026年には192万5,000円へ上昇しています。
累計では約144.8%、約2.4倍です。
この期間には、原材料費や円安だけでなく、CHANELがクラシックバッグの価格帯を世界的に引き上げ、ブランド内での位置づけを変更した影響も含まれます。
そのため、過去の年率21.6%が今後も続くとは考えにくいでしょう。
基本予測では、年間5~10%程度へ正常化すると想定しています。
現在192万5,000円の商品が5%上がると、約202万円です。10%なら約212万円となります。
2028年まで同程度の値上げが続いた場合、現行価格より約20~40万円高くなる可能性があります。
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Hermès|定価だけでなく入手可能性が重要
ピコタン・ロック18は、2022年の約37万円から、2026年には約58万円へ上昇しています。
Hermèsでは、定価上昇に加えて、店頭で希望する色、素材、サイズを購入できるかという入手可能性も重要です。
定価が分かっていても、希望商品をいつでも購入できるとは限りません。
そのため、希望条件に近い商品を正規店で購入できる機会があり、予算内で長く使う予定なら、次の値上げ時期だけを理由に見送るメリットは小さい可能性があります。
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Louis Vuitton|値上げは続くがCHANELほど急ではない
ネヴァーフル MMは、2021年の約19万5,000円から、2026年には約28万8,000円へ上昇しました。
累計上昇率は約48%、年率換算は約7.3%です。
CHANELほど急激ではありませんが、5年間で約9万円の値上がりとなっています。
旅行や通勤などで長く使う定番として購入意思が固い場合は、数年間待つより、現在の価格で買った方が総支払額を抑えられる可能性があります。
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Lady Dior|100万円台へ入った後も緩やかな上昇を予想
Lady Dior ミディアムは、2021年の59万9,500円から、2026年には99万5,000円へ上昇しています。
2027年には103万~108万円前後、2028年には108万~116万円前後が基本予測です。
ただし、カラー、素材、限定仕様によって中古市場での評価は異なります。定価が上がったからといって、すべてのモデルの売却価格が同じ割合で上がるわけではありません。
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服・アウターの値上げ推移と今後の予測
服・アウター部門の年率換算中央値は約7.8%で、バッグやジュエリーより低めでした。
ただし、衣料品は毎シーズン、品番、素材混率、シルエット、裏地、フィットなどが変わります。
同じ名前のコートでも、完全に同一の商品とは限らない点に注意が必要です。
Burberry トレンチコート
ロング・ケンジントン系は、2022年の29万7,000円から、2026年には38万5,000円へ上昇しています。
累計上昇率は約29.6%です。
2027年は約39万7,000~40万8,000円、2028年は約40万8,000~43万3,000円が基本予測となります。
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Moncler Maya
Moncler Mayaは、2023年の26万700円から、2026年には32万6,700円へ上昇しています。
ダウンジャケットは、素材、ダウン量、ファスナー、製造コスト、物流費などの影響を受けます。
一方、サイズ感、ボリューム、流行するシルエットは変わるため、値上げだけを理由に早く買うより、試着して長く着られるか確認することが重要です。
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Max Mara 101801
Max Maraの代表的な101801 マダムコートは、2024年の60万6,100円から、2026年には70万7,300円へ上昇しています。
2028年には約76万5,000~82万5,000円が予測範囲です。
ただし、服は定価が上がっても、中古で同じ割合の値上がりを期待しにくい部門です。
購入価値は、売却益よりも、何年間・何回着られるかで考えた方が合理的です。
例えば70万円のコートを10年間で100回着る場合、単純な着用単価は1回7,000円です。
サイズが合い、補修しながら長く着る予定があるなら、高価格でも納得しやすくなります。
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ジュエリーの値上げ推移と今後の予測
ジュエリーは、今後も価格上昇圧力が強いと考えられる部門です。
今回の年率換算中央値は約11.4%で、5部門の中で最も高くなりました。
Cartier LOVEリング
LOVEリング クラシックは、2022年の26万700円から、2026年には35万8,600円へ上昇しています。
累計上昇率は約37.6%です。
2027年は38万~39万4,000円、2028年は40万3,000~43万4,000円が基本予測です。
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Van Cleef & Arpels アルハンブラ
ヴィンテージ アルハンブラ ペンダントは、2021年の31万3,500円から、2026年には53万9,000円へ上昇しました。
累計上昇率は約71.9%です。
2027年は57万1,000~59万3,000円、2028年は60万6,000~65万2,000円と予測されます。
定番デザインで、将来も購入する可能性が高い場合は、待つことで数万円から10万円以上高くなる可能性があります。
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Tiffany T スマイル
Tiffany T スマイル ペンダント スモールは、2023年の15万6,200円から、2026年には24万7,500円へ上昇しています。
約3年で58.5%の上昇です。
観測期間が短いため、この年率16.6%をそのまま将来へ当てはめるのは危険ですが、2027年に26万~27万円台へ進む可能性はあります。
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金価格がジュエリーへ与える影響
田中貴金属の税抜参考小売価格では、金1gの年間平均が、2021年の6,402円から、2025年には17,302円へ上昇しています。
2026年8月6日の税込店頭価格は、1gあたり24,068円でした。
ただし、ブランドジュエリーの定価の大半が、金の地金価値で構成されているわけではありません。
商品価格には次の要素も含まれます。
- デザイン
- 加工・研磨
- 宝石や素材の選別
- 店舗網
- 広告・接客
- ブランド価値
金価格が10%下落したとしても、ブランドジュエリーの定価が10%下がるとは限りません。
ハイブランドは定価を引き下げるより、値上げを見送る、価格を据え置く、仕様や商品構成を変更する対応を選びやすい傾向があります。
腕時計の値上げ推移と今後の予測
腕時計部門の年率換算中央値は約10.7%でした。
スイスブランドは、円とスイスフランの為替、世界価格、製造コスト、素材価格などの影響を受けます。
Rolex サブマリーナー
サブマリーナー 124060は、2021年の89万7,600円から、2026年には149万4,900円へ上昇しています。
累計上昇率は約66.5%です。
2027年は155万5,000~161万5,000円、2028年は161万5,000~174万5,000円が基本予測です。
ただし、Rolexは定価だけでなく、正規店で希望モデルを実際に購入できるかが重要です。
希望するモデルを正規店で購入できる機会があり、予算に無理がない場合は、次の価格改定を待って見送るメリットは小さい可能性があります。
Cartier タンク マスト
タンク マスト SMは、2022年の31万200円から、2026年には61万6,000円へ上昇しています。
約4年で98.6%、ほぼ2倍です。
ただし、モデル更新や仕様変更の影響を含む比較であるため、純粋な同一時計の値上げ率としては慎重に見る必要があります。
今後は、これまでの年率18.7%ではなく、年間5~9%程度への正常化が基本シナリオです。
Omega スピードマスター
スピードマスター ムーンウォッチは、2021年の73万7,000円から、2026年には116万6,000円へ上昇しています。
2027年は121万5,000~126万円、2028年は126万~136万円が予測範囲です。
腕時計は正規店定価が上がっても、中古価格が同じ割合で上昇するとは限りません。
中古市場では、次の条件が大きく影響します。
- 文字盤・ケースサイズ
- 流通量
- 箱・保証書などの付属品
- 研磨の有無
- 傷・使用状態
- オーバーホール履歴
- 将来の修理費用
香水の値上げ推移と今後の予測
香水は、割合だけを見るとバッグや時計に近い上昇率となっています。
ただし、元の価格が低いため、値上げによる金額差は比較的小さくなります。
CHANEL N°5
CHANEL N°5 EDP 100mlは、2024年の2万3,100円から、2026年には2万8,270円へ上昇しています。
累計上昇率は約22.4%です。
2027年は2万9,400~3万200円、2028年は3万600~3万2,400円が基本予測です。
Jo Malone イングリッシュ ペアー&フリージア
100mlコロンは、2024年改定前の2万240円から、2026年には2万4,860円へ上昇しています。
2026年8月4日に価格改定されたばかりであるため、その直後にもう一度大幅な値上げを実施する可能性は、相対的に低いと考えられます。
香水は買いだめするべき?
香水は値上げ前に買えば、数千円程度節約できる可能性があります。
一方で、急いで何本も買いだめするメリットは限定的です。
- 未開封でも保管環境の影響を受ける
- 高温や直射日光で香りが変化する可能性がある
- 年齢や好みの変化で使わなくなる可能性がある
- 容量が多いと使い切れない場合がある
値上げ率より、実際に使い切れる量か、現在も本当に好きな香りかを優先しましょう。
なぜハイブランドは今後も値上がりしやすい?
1.円安と世界価格の調整
欧州やスイスのブランドは、ユーロやスイスフラン建ての製造コストと、各国間の価格差を見ながら定価を調整しています。
円安が進むと、日本国内の価格を引き上げなければ、海外との価格差が大きくなります。
2.金・貴金属価格の上昇
Cartier、Van Cleef & Arpels、Tiffanyなどのジュエリーや、金無垢時計には、金価格の上昇が直接的な圧力になります。
ただし、地金価格だけでなく、加工費やブランド価値も価格を構成するため、金価格が下落しても定価が同じ割合で下がるとは限りません。
3.職人賃金と生産能力
高級レザー、縫製、時計、ジュエリーは、安価な大量生産へ簡単に置き換えられません。
熟練職人の育成には時間がかかり、賃金や工房の維持費も上昇します。
4.希少性とブランドイメージの維持
ハイブランドは、販売数量を最大化するだけでなく、高価格帯でのブランドイメージや希少性を守ることも重視します。
そのため、原価上昇を超えた戦略的値上げが行われる場合があります。
5.高価格帯商品の需要が完全には崩れていない
市場全体の勢いは2021~2023年ほど一様ではありませんが、定番バッグ、代表的ジュエリー、人気時計などには価格決定力が残っています。
ハイブランド市場が減速しても、すべての商品が同じように値下がりするわけではありません。
今後の値上げ予測が上振れする条件
次の条件が起きると、基本予測より値上げ率が高くなる可能性があります。
- 円がユーロ・スイスフランに対してさらに10%以上下落する
- 金価格がさらに15%以上上昇する
- ブランドが世界価格を一斉調整する
- 人気商品の供給を絞り、希少性を高める
- レザー・ガラス・香料などの供給コストが急上昇する
この場合、ジュエリーや金無垢時計では、基本予測の上限にさらに3~8ポイント程度加わる可能性があります。
値上げ予測が下振れする条件
- 円がユーロ・スイスフランに対して10%以上上昇する
- 世界的なラグジュアリー需要が大きく低迷する
- 在庫が増加する
- 金やエネルギー価格が大きく下落する
- ブランドが短期間に大幅値上げした直後である
ただし、ハイブランドは定価を大幅に引き下げるより、次のような対応を選びやすい傾向があります。
- 価格を据え置く
- 値上げの時期を延期する
- サイズや仕様を変更する
- 商品ラインアップを組み替える
- 小型・低価格の商品を追加する
円高になったとしても、数年前の定価へ戻ることは期待しにくいでしょう。
値上げ前に早めの購入が合理的なケース
- 商品、サイズ、素材、色まで決まっている
- 少なくとも5年以上使う予定がある
- 値上げ後も結局購入する可能性が高い
- CartierやVCAなど、金を多く使う定番ジュエリー
- CHANELやHermèsなど、値上げと入手難が重なりやすいバッグ
- 正規店で希望するRolexを購入できる機会がある
- 現金または無理のない一括払いで購入できる
例えばCHANEL クラシック 11.12は、基本予測でも2028年には現行より約20~40万円高くなる可能性があります。
すでに購入意思が固く、値上げ後も購入するつもりなら、2年間待つ経済的メリットは小さいでしょう。
値上げしても急がない方がよいケース
- 値上げのニュースを見て急に欲しくなった
- 転売益を主目的としている
- 服のサイズを試していない
- バッグの重量や使い勝手を確認していない
- 香水を肌で試していない
- 高金利の分割払いやリボ払いが必要
- 中古美品も選択肢にできる
- 流行性の高い色や限定仕様を検討している
- 数年以内に使わなくなる可能性が高い
「10%上がる前に買いたい」という理由で、年15%のリボ払いや高金利ローンを使うと、予想値上げ額より金利負担が大きくなる可能性があります。
値上げすると資産価値も上がる?
定価が上がったからといって、中古売却価格や資産価値が同じ割合で上昇するとは限りません。
中古価格は、次の条件に左右されます。
- ブランドと商品モデル
- 色・素材・サイズ
- 流通量
- 限定性
- 商品の状態
- 箱、保証書、保存袋などの付属品
- 修理・研磨・お直し履歴
- 中古市場での需要
特に服、香水、流行色のバッグは、定価が上がっても、中古価値が同率で上昇しにくい商品です。
ハイブランド品は、投資商品というより、長く使う中で満足度を得る耐久消費財として考える方が安全です。
部門別|今買う優先度
| 部門 | 早めの購入優先度 | 理由 |
|---|---|---|
| 定番ジュエリー | 高い | 金価格とブランド改定の両方を受けやすい |
| CHANEL・Hermèsの定番バッグ | 高い | 値上げと入手難が重なる可能性がある |
| Rolexなど購入機会が限られる時計 | 高い | 次回同条件で買える保証がない |
| 定番コート | 中程度 | 長く着るなら有力だが、サイズと着用回数を優先 |
| 通常の香水 | 低~中 | 値上げ金額は比較的小さく、保管・使い切りに注意 |
| 流行色・限定デザイン | 低い | 値上げより流行落ち・使用頻度のリスクが大きい |
ハイブランドを購入する前のチェックリスト
- 値上げがなくても欲しい商品か確認する
- 色・素材・サイズ・品番まで決める
- 正規店の現行定価を確認する
- 過去品と現行品の仕様差を確認する
- 中古美品の価格も比較する
- バッグや時計は重量・装着感を試す
- 服は少なくとも数年着られるサイズか確認する
- 修理・メンテナンス費用を確認する
- 高金利の分割払いを避ける
- 将来の売却益を前提にしない
よくある質問
2027年も値上げする可能性は高いですか?
すべてのブランド・商品で値上げするとは限りませんが、円安、金価格、製造費、世界価格調整を考えると、定番商品の価格が上昇する可能性は高いと考えられます。
最も値上がりしやすい部門はどこですか?
基本予測では、ジュエリーと人気バッグが上がりやすい部門です。
ジュエリーは金価格、バッグは希少性政策と職人コストの影響を受けます。
香水も値上げ前に買った方がいいですか?
必ず使い切る定番香水であれば、次回購入分を少し早めに買う選択はあります。
ただし、何本も買いだめすると保管や好みの変化によるリスクがあるため、値上げ金額だけで大量購入する必要はありません。
円高になれば定価は下がりますか?
円高になれば値上げが延期・小幅化される可能性はあります。
一方、ハイブランドは大幅値下げより、価格据え置きや商品仕様の変更を選びやすいため、以前の定価へ戻るとは限りません。
値上げ前にローンで買うのは得ですか?
ローンの金利や分割手数料が、予想値上げ額を上回る場合は得になりません。
値上げ率と実質年率を比較し、無理な借入をしないことが重要です。
定価が上がれば中古価格も上がりますか?
一部の人気商品では上がる可能性がありますが、必ず同じ割合で上がるわけではありません。
中古価格は、色、状態、流通量、付属品、人気の変化などに左右されます。
まとめ:購入意思が固い定番品は、価格予測より現在の条件を重視
2021年以降、ハイブランドの国内定価は、バッグ、服、ジュエリー、腕時計、香水のすべての部門で上昇しています。
今回追跡した代表15商品の年率換算中央値は、服が約7.8%、腕時計が約10.7%、バッグが約10.8%、香水が約11%、ジュエリーが約11.4%でした。
特にCHANEL クラシック 11.12、Cartier タンク マスト、Van Cleef & Arpels アルハンブラなどは、数年間で大きく価格が上昇しています。
ただし、これまでの上昇率が今後もそのまま続くとは限りません。
2027年の基本予測は、バッグが3~10%、服・アウターが3~8%、ジュエリーが5~10%、腕時計が4~9%、香水が3~7%です。
円安や金価格の上昇が続けば、ジュエリーや時計、人気バッグでは予測上限を超える可能性があります。
反対に、円高や世界的な需要低迷が起きれば、値上げの延期や小幅化も考えられます。ただし、定価が数年前の水準へ大きく戻る可能性は高くありません。
購入を急ぐ価値があるのは、商品、サイズ、素材、色まで決まっており、値上げ後も結局買う可能性が高い定番品です。
特に、CartierやVan Cleef & Arpelsなどの定番ジュエリー、CHANELやHermèsの人気バッグ、正規店で購入機会を得たRolexなどは、待つことで価格と入手難度の両方が上がる可能性があります。
一方、服、香水、流行色、限定仕様は、値上げ率よりもサイズ、使用頻度、保管、将来も使うかを優先しましょう。
ハイブランドの定価上昇は購入を急ぐ材料にはなりますが、それ自体が資産価値や将来の売却益を保証するものではありません。次の値上げ日を当てようとするより、現行定価・品番・素材を確認し、予算内で長く使えると判断した時点で購入するのが最も合理的です。
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