スミスマシンは、バーベルがレール上を動くトレーニングマシンです。軌道が安定しているため、初心者がフォームを覚えたいとき、女性が脚・お尻・胸・肩を狙って鍛えたいとき、補助なしで高重量に近いトレーニングをしたいときに便利です。
ただし、スミスマシンは「安全だから何をしてもOK」というマシンではありません。バーの軌道が固定されているため、体に合わない位置で行うと、膝・腰・肩に負担が出ることがあります。大切なのは、マシンの軌道に無理やり体を合わせるのではなく、自分の関節に違和感が出ない位置を探して使うことです。

スミスマシンで大事なのはこの3つ
スミスマシンを安全に使うために、まず意識したいポイントは次の3つです。
- セーフティを必ず設定する
- 空バーで軌道を確認してから重量を乗せる
- フリーウエイトと同じ重量感で比較しない
スミスマシンはバーが固定レール上を動くため、左右にブレにくく、セーフティも使いやすいのがメリットです。一方で、フリーウエイトのように自然なバーベル軌道を自分で作るわけではないため、種目ごとに立ち位置やベンチ位置を調整する必要があります。
スミスマシンのメリット
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 軌道が安定する | バーが左右にブレにくく、初心者でも扱いやすい |
| セーフティを使いやすい | 1人でもスクワットやベンチプレスを行いやすい |
| 狙った筋肉に集中しやすい | バランスを取る負担が少なく、胸・お尻・脚に効かせやすい |
| 種目数が多い | スクワット、ヒップスラスト、ベンチプレス、ランジなどに使える |
特に女性のボディメイクでは、スミスマシンスクワット、ブルガリアンスクワット、ヒップスラスト、インクラインプレスが使いやすい種目です。フリーウエイトよりバランスを取る難しさが減るため、筋肉に効かせる感覚を作りやすくなります。
スミスマシンのデメリット・注意点
| デメリット | 注意点 |
|---|---|
| 軌道が固定される | 体格に合わないと膝・腰・肩に違和感が出る |
| 体幹や安定筋の刺激は減りやすい | フリーウエイトほど全身の安定性は鍛えにくい |
| 重量が伸びた気になりやすい | バー重量・摩擦・角度で体感が変わる |
| マシンごとに重さが違う | ジムが変わると同じ表示重量でも体感が変わる |
スミスマシンはフリーウエイトの完全な代わりではなく、別種目として考えるのがおすすめです。記録も「スミスマシンスクワット」「フリースクワット」のように分けて管理すると、成長が分かりやすくなります。
スミスマシンのバー重量に注意
スミスマシンでよくある勘違いが、バー重量です。普通のバーベルは20kgが多いですが、スミスマシンのバーは必ず20kgとは限りません。
たとえば、開始抵抗が約5kgのマシンもあれば、約13kg以上のマシンもあります。つまり、同じ「片側10kgずつプレートを付けた」場合でも、実際の合計重量はマシンによって変わります。
- 20kgバーの場合:プレート20kg+バー20kg=合計40kg
- 13kgバーの場合:プレート20kg+バー13kg=合計33kg前後
- 5kgバーの場合:プレート20kg+バー5kg=合計25kg前後
記録をつける場合は、ジムのスタッフにスミスマシンの開始重量を確認しましょう。分からない場合は、ひとまず「プレート重量のみ」で記録し、同じマシン内で伸びているかを見るだけでも十分です。
スミスマシンで鍛えられる主な筋肉
スミスマシンは、行う種目によって鍛えられる筋肉が大きく変わります。
| 種目 | 主な筋肉 | 見た目への効果 |
|---|---|---|
| スクワット | 大腿四頭筋、大臀筋、内転筋 | 脚・お尻・下半身全体 |
| ヒップスラスト | 大臀筋、ハムストリングス | ヒップアップ |
| ブルガリアンスクワット | 大臀筋、太もも前、内もも | お尻・脚の引き締め |
| ベンチプレス | 大胸筋、三角筋前部、上腕三頭筋 | 胸・二の腕・肩前 |
| ショルダープレス | 三角筋、上腕三頭筋 | 肩の丸み、上半身の立体感 |
| ルーマニアンデッドリフト | ハムストリングス、大臀筋 | 太もも裏、お尻 |
スミスマシンスクワットのやり方
バーを首ではなく、肩の上から僧帽筋あたりに乗せます。足は肩幅〜やや広め、つま先は少し外向きにします。しゃがむときは膝とつま先の向きをそろえ、お尻を軽く後ろに引きながら下ろしましょう。
太もも前に効かせたいなら、足はバーの真下〜少し前。お尻に効かせたいなら、足を少し前に出して股関節を深く曲げる意識を持ちます。ただし、足を前に出しすぎると背中でバーにもたれかかるような動きになりやすいため注意が必要です。
おすすめは10〜12回×3セットです。下ろしを2〜3秒かけると、脚やお尻に効かせやすくなります。
スミスマシンヒップスラストのやり方
ヒップアップを狙う女性には、スミスマシンヒップスラストがかなりおすすめです。ベンチに肩甲骨の下あたりを乗せ、バーを骨盤の上にセットします。痛い場合は必ずパッドを使いましょう。
足は、上げたときにすねが床とほぼ垂直になる位置に置きます。上げたところで腰を反るのではなく、骨盤を軽く後傾させてお尻を締めるイメージです。かかとで床を押すと、お尻に入りやすくなります。
おすすめは10〜15回×3〜4セットです。上で1秒止めると、お尻への刺激が分かりやすくなります。
スミスマシンベンチプレスのやり方
スミスマシンベンチプレスは、フリーのベンチプレスよりバーが安定するため、胸に集中しやすい種目です。ベンチをバーの下に置き、バーが胸の下部〜みぞおち寄りに下りる位置に調整します。
肩甲骨を寄せて下げ、足は床に置きます。バーを下ろすときは胸でバウンドさせず、押すときは肩がすくまないようにしましょう。胸に効かせたいなら、肘を真横に開きすぎず、45〜70度くらいの自然な角度にするのがおすすめです。
おすすめは8〜12回×3セットです。胸・二の腕・肩前を鍛えたい人に向いています。
スミスマシンでおすすめの種目
| 目的 | おすすめ種目 |
|---|---|
| ヒップアップ | ヒップスラスト、ブルガリアンスクワット |
| 脚やせ・引き締め | スクワット、ルーマニアンデッドリフト |
| デコルテ・二の腕 | ベンチプレス、インクラインプレス |
| 肩まわり | ショルダープレス |
| 姿勢改善 | インバーテッドロー、ロー系種目 |
女性の場合は、お尻・脚・胸上部に使うと特に相性が良いです。男性の場合は、フリーウエイトのメイン種目に加えて、安全に追い込む補助種目として使うと効果的です。
男女・体重別の目標重量
スミスマシンは種目ごとに目標重量が変わります。ここでは、スミスマシンスクワットとスミスマシンベンチプレスの1RM目安を紹介します。実際の重量はバー重量やマシンの角度によって変わるため、あくまで参考値として見てください。
| 女性体重 | スクワット初心者 | スクワット中級者 | ベンチ初心者 | ベンチ中級者 |
|---|---|---|---|---|
| 50kg | 18kg | 58kg | 11kg | 36kg |
| 55kg | 20kg | 61kg | 13kg | 41kg |
| 60kg | 22kg | 65kg | 16kg | 45kg |
| 65kg | 24kg | 68kg | 19kg | 50kg |
| 男性体重 | スクワット初心者 | スクワット中級者 | ベンチ初心者 | ベンチ中級者 |
|---|---|---|---|---|
| 60kg | 36kg | 93kg | 36kg | 75kg |
| 70kg | 46kg | 110kg | 45kg | 88kg |
| 80kg | 57kg | 126kg | 53kg | 99kg |
| 90kg | 67kg | 141kg | 61kg | 110kg |
体重55kg前後の女性なら、スミスマシンスクワットはまず30kg×10〜12回×3セット、慣れたら40kg、50kgを目標にすると現実的です。スミスマシンベンチプレスは、まず15〜20kg×10回×3セット、次に25kg、30kgを目指すとよいでしょう。
重量を増やすタイミング
スミスマシンでは、重量を少しずつ増やすのが安全です。脚種目は5kg刻み、胸・肩種目は2.5kg刻みくらいが扱いやすいです。
- まずは10回×3セットをきれいに行う
- できたら12回×3セットを目指す
- 12回×3セットできたら、次回2.5〜5kg増やす
- 重くしたら8〜10回から再スタートする
- フォームが崩れたら重量を戻す
例として、30kgで10回×3セットができたら、次は30kgで12回×3セットを目指します。それができたら35kgに上げ、8〜10回から再スタートします。
スミスマシンでよくあるNGフォーム
- セーフティを設定しない:スミスマシン最大のメリットを使えていない
- 空バーで軌道確認をしない:機種ごとの軌道に体が合わないことがある
- スクワットで足を前に出しすぎる:背中でもたれかかる動きになりやすい
- ベンチプレスで肩がすくむ:胸ではなく肩に負担が出やすい
- ヒップスラストで腰を反る:お尻ではなく腰に入りやすい
- フリーウエイトと同じ扱いをする:軌道もバー重量も違うため別種目として管理する
フリーウエイトとの違い
| 比較 | スミスマシン | フリーウエイト |
|---|---|---|
| 軌道 | 固定 | 自分でコントロール |
| 安定性 | 高い | 低いが全身を使う |
| 初心者向き | 使いやすい | やや難しい |
| 安全性 | セーフティ設定しやすい | 補助やラックが必要 |
| 体幹刺激 | やや少ない | 多い |
総合的な筋力や安定性を伸ばしたいならフリーウエイト、狙った筋肉を安全に追い込みたいならスミスマシン、という使い分けがおすすめです。
スミスマシンをメニューに入れるなら
女性のリコンプ・ボディメイク目的なら、下半身と上半身をバランスよく入れると効果的です。
| 目的 | おすすめメニュー |
|---|---|
| 女性のボディメイク | スミスマシンスクワット10〜12回×3セット、ヒップスラスト10〜15回×3セット、シーテッドロー10〜12回×3セット、ラットプルダウン10〜12回×3セット |
| お尻強化 | ヒップスラスト10〜15回×4セット、ブルガリアンスクワット左右8〜10回×3セット、ルーマニアンデッドリフト10回×3セット |
| 胸・肩強化 | スミスマシンベンチプレス8〜12回×3セット、インクラインプレス10回×3セット、ショルダープレス8〜12回×2〜3セット |
まとめ:スミスマシンは安全設定をして使えばかなり便利
スミスマシンは、初心者にも女性のボディメイクにもかなり使いやすいマシンです。特に、スクワット、ヒップスラスト、ブルガリアンスクワット、ベンチプレス、インクラインプレスは効果を感じやすい種目です。
ただし、スミスマシンはバーの軌道が固定されているため、フリーウエイトより安全というより、安全に使うための設定がしやすいマシンと考えるのが正解です。セーフティを使い、空バーで軌道を確認し、関節に違和感が出ない位置で行いましょう。
体型を変えたい人は、重量だけでなく、深さ・テンポ・効いている部位・セーフティ設定を優先することが大切です。正しく使えば、スミスマシンは脚・お尻・胸・肩を効率よく鍛えられる強い味方になります。
スミスマシンの特徴やフリーウエイトとの違いについて詳しく知りたい方は、The Cooper Instituteの解説や、Strength Levelのスミスマシンスクワット基準も参考になります。
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