アブダクションは、ジムでは主に「ヒップアブダクションマシン」と呼ばれる、脚を外側に開くマシンのことを指します。お尻の横を鍛えたい人、ヒップラインを丸く見せたい人、骨盤を安定させたい人、膝が内側に入りやすい人に向いている種目です。
特に女性のボディメイクでは、ヒップスラストやレッグプレスが「お尻の後ろ側・大臀筋」を狙いやすいのに対して、アブダクションはお尻の横・中臀筋・小臀筋を狙いやすいのが特徴です。お尻横が使えるようになると、ヒップの丸み、骨盤まわりの安定、脚ラインの見え方に関わります。
この記事では、アブダクションの正しい使い方、お尻横に効かせるコツ、アダクションとの違い、男女・体重別の目標重量、よくあるNGフォームまで分かりやすく解説します。

アブダクションで大事なのはこの3つ
アブダクションは、一見シンプルなマシンですが、反動で開いてしまうとお尻横ではなく外ももや腰に逃げやすい種目です。まず意識したいポイントは次の3つです。
- 反動で開かず、お尻の横で押し広げる
- 開いたところで1秒止めて、戻すときもゆっくり
- 重量よりも、骨盤・上半身がブレないことを優先する
PureGymのシーテッドヒップアブダクション解説でも、背中をパッドにつけ、上半身を動かさず、外もも・お尻の筋肉で膝を外へ押し、トップで止めてからゆっくり戻す流れが紹介されています。
アブダクションで鍛えられる筋肉
アブダクションで主に鍛えられるのは、お尻の横にある中臀筋・小臀筋です。これらはヒップラインだけでなく、骨盤の安定や膝の向きにも関わります。
| 部位 | 主な役割 | 見た目・機能への効果 |
|---|---|---|
| 中臀筋 | 股関節外転、骨盤安定 | お尻横、骨盤の安定、脚ライン改善 |
| 小臀筋 | 中臀筋の補助、股関節安定 | ヒップの丸み、歩行安定 |
| 大臀筋上部 | 脚を外へ開く補助 | お尻上部〜横の丸み |
| 大腿筋膜張筋 | 股関節外転の補助 | 使いすぎると外もも張り感に関与しやすい |
| 体幹 | 骨盤固定 | 腰反り・骨盤ブレ防止 |
中臀筋は、歩く・走る・片脚で立つときにも骨盤を安定させる重要な筋肉です。中臀筋が弱いと、脚トレ中に膝が内側へ入りやすくなったり、片脚動作で骨盤がブレやすくなったりします。
アブダクションとアダクションの違い
名前が似ていますが、アブダクションとアダクションは動きも鍛える部位も逆です。
| 種目 | 動き | 主な部位 | 見た目への効果 |
|---|---|---|---|
| アブダクション | 脚を外に開く | 中臀筋・小臀筋・お尻横 | ヒップの丸み、骨盤安定 |
| アダクション | 脚を内側に閉じる | 内転筋・内もも | 内ももの引き締め |
覚え方は、アブダクション=外へ開く=お尻横、アダクション=内へ閉じる=内ももです。ヒップラインを丸くしたいならアブダクション、内ももを引き締めたいならアダクションを使います。
アブダクションの正しい使い方
まず、マシンに深く座り、背中をパッドにつけて骨盤を立てます。足はフットレストに置き、膝の外側をパッドに当てます。座る位置が浅いと骨盤が動きやすくなり、お尻ではなく腰や外ももに逃げやすくなります。
- マシンに深く座り、骨盤を立てる
- 膝の外側をパッドに当てる
- 最初は軽め〜中重量を選ぶ
- 膝パッドを外へ押すように脚を開く
- 開いたところで1秒止める
- 2〜3秒かけてゆっくり戻す
脚を開くというより、膝パッドをお尻横で外へ押し広げるイメージです。足先だけを動かすのではなく、股関節から外へ開きましょう。
お尻横に効かせるコツ
アブダクションで効かせたい場合は、開く瞬間だけ力を入れるのではなく、開く・止める・戻すのすべてでお尻横にテンションを残すことが大切です。
- 上半身を固定する:体を前後に揺らすと反動で動いてしまう
- トップで1秒止める:お尻横にギュッと力を入れる
- 戻すときもゆっくり:ガチャンと戻すと刺激が抜ける
- つま先だけ外に向けすぎない:膝とつま先は同じ方向を意識する
- 外ももが張るなら重量を下げる:大腿筋膜張筋に逃げている可能性がある
座ったまま少し前傾すると、お尻横〜大臀筋上部に入りやすい人もいます。ただし、前傾しすぎて腰が丸まったり、反動が出たりするなら逆効果です。まずは背中をつけた基本フォームで、骨盤を安定させることを優先しましょう。
座り方・角度別の効き方
| やり方 | 狙いやすい部位 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 背もたれに背中をつける | 中臀筋・小臀筋を安定して狙う | 初心者、フォーム習得 |
| 少し前傾する | お尻横〜大臀筋上部 | お尻に効かせたい人 |
| トップで小刻みに動かす | 中臀筋のパンプ感 | 仕上げ、追い込み |
| 片脚ずつ行う | 左右差改善 | 片側だけ効きにくい人 |
慣れてきたら、少し前傾、トップ停止、片脚ずつなどで刺激を変えるとマンネリ化しにくくなります。
目的別の回数・セット数
アブダクションは、高重量低回数よりも、中重量〜やや軽めで12〜20回行う方が効かせやすい種目です。
| 目的 | 回数 | セット数 | ポイント |
|---|---|---|---|
| ヒップアップ・お尻横を丸くしたい | 15〜20回 | 3〜4セット | トップ1秒停止。脚トレの仕上げにおすすめ |
| 骨盤安定・膝の内側入り対策 | 12〜15回 | 2〜3セット | 軽めで丁寧に。脚トレ前にも使いやすい |
| 脚トレ前のウォームアップ | 20回 | 1〜2セット | お尻横を起こす目的で軽めに行う |
| お尻横をしっかり育てたい | 10〜15回 | 3〜5セット | 最後の数回がきつい重量。ただし反動はNG |
アブダクションマシン以外の種目
アブダクションは、マシンだけでなく自宅やジムのウォームアップでも行えます。
| 種目 | 特徴 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| マシンアブダクション | 重量調整しやすく、お尻横に効かせやすい | 最もおすすめ |
| バンドウォーク | 中臀筋の活性化に便利 | ウォームアップ向き |
| クラムシェル | 初心者・リハビリ寄り | 軽めで丁寧に |
| サイドライイングレッグレイズ | 自宅でできる | 反動に注意 |
| ケーブルヒップアブダクション | 片脚ずつ狙える | 中級者向き |
男女・体重別の目標重量
ここでは、ヒップアブダクションの1RM目安を紹介します。1RMとは、1回だけ挙げられる最大重量のことです。ただし、アブダクションはマシン差が大きく、同じ50kgでもジムやメーカーによって体感が変わります。普段のトレーニングでは、1RMの60〜75%前後で12〜20回を目安にすると使いやすいです。
| 女性体重 | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 |
|---|---|---|---|---|
| 50kg | 20kg | 40kg | 67kg | 102kg |
| 55kg | 22kg | 42kg | 70kg | 105kg |
| 60kg | 23kg | 43kg | 72kg | 107kg |
| 65kg | 24kg | 45kg | 74kg | 110kg |
| 男性体重 | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 |
|---|---|---|---|---|
| 60kg | 21kg | 45kg | 80kg | 125kg |
| 70kg | 28kg | 55kg | 93kg | 140kg |
| 80kg | 34kg | 64kg | 104kg | 154kg |
| 90kg | 41kg | 72kg | 115kg | 167kg |
体重55kg前後の女性なら、まずは25〜30kg×15〜20回×3セットを丁寧に行うことを目標にしましょう。次に35〜40kgで15回、さらに45〜50kgで12〜15回を目指すと現実的です。
重量を増やすタイミング
アブダクションは重量を追いやすい一方で、反動や上半身の揺れでごまかしやすい種目です。50kgで雑に開くより、35〜40kgでトップ停止できる方がお尻横には効きやすくなります。
- まずは15回×3セットを丁寧に行う
- できたら20回×3セットを目指す
- 20回×3セットできたら、次回2.5〜5kgアップする
- 重くしたら12〜15回から再スタートする
- 反動が出るなら重量を戻す
例として、30kgで15回×3セットができたら、次は30kgで20回を目指します。それができたら35kgに上げ、12〜15回から再スタートします。
よくあるNGフォーム
- 反動でガバッと開く:お尻横ではなく勢いで動いてしまう
- 上半身を大きく揺らす:マシンを動かしているだけになりやすい
- 腰を反る:お尻に効かせようとして腰に負担が出る
- 可動域が浅い:重すぎると十分に開けない
- 閉じるときに力を抜く:戻す局面の刺激がなくなる
- 外ももばかり張る:大腿筋膜張筋に逃げている可能性がある
アブダクションが効かないときの原因と改善策
| 症状 | 原因 | 改善策 |
|---|---|---|
| 外ももばかり張る | 重すぎる、外もも側に逃げている | 重量を下げる、トップ停止、骨盤固定 |
| 腰が痛い | 腰を反っている | 腹圧を入れ、骨盤を立てる |
| お尻横に入らない | 反動が強い | 2秒で開く、1秒止める、3秒で戻す |
| 片側だけ効く | 骨盤がずれている | 座り直す、片脚ずつ行う |
| 膝が痛い | パッド位置が合っていない | 膝の外側に自然に当たる位置へ調整する |
ドロップセットは有効?
アブダクションはドロップセットと相性が良い種目です。最後の仕上げとして、重さを段階的に下げながら連続で行うと、お尻横に強い刺激を入れられます。
例えば、40kgで12回行ったあと、休まず30kgで10回、さらに20kgで10〜15回行うような方法です。ただし、毎回行うと疲労が大きくなるため、週1回の仕上げ程度で十分です。
他の種目との組み合わせ
| 目的 | おすすめメニュー |
|---|---|
| お尻全体を育てたい日 | ヒップスラスト10〜12回×3〜4セット、レッグプレス高足位置10〜12回×3セット、アブダクション15〜20回×3セット、グルートキックバック左右12〜15回×2セット |
| 脚トレ前の活性化 | アブダクション20回×1〜2セット、グルートブリッジ15回×1〜2セット、レッグプレス10〜12回×3セット |
| 女性のリコンプ向け | レッグプレス10〜12回×3セット、ヒップスラスト10〜12回×3セット、アブダクション15〜20回×3セット、ラットプルダウン10〜12回×3セット |
まとめ:アブダクションはお尻横と骨盤安定に優秀な種目
アブダクションは、脚を外へ開くことで中臀筋・小臀筋・お尻横を鍛える種目です。ヒップアップ、骨盤安定、膝の内側入り対策、後ろ姿の引き締めに役立ちます。
一番大切なのは、重量よりも反動を使わない・開いたところで止める・戻しをゆっくり・骨盤を固定する・外ももではなくお尻横で押すことです。
初心者や女性は、まず25〜30kgで15〜20回×3セットを丁寧に行い、慣れてきたら35〜40kg、さらに45〜50kgへと少しずつ伸ばしていきましょう。正しいフォームで続ければ、アブダクションはお尻の形と下半身の安定感を作るかなり優秀な種目になります。
フォームの参考には、PureGymのシーテッドヒップアブダクション解説や、Strength Levelのヒップアブダクション基準も確認してみてください。
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