ホエイ(Whey)プロテイン徹底ガイド|最適タイミング・取り方・筋肥大設計・男女別の要点・メリデメ【2025年版】

ダイエット

ホエイプロテインについて、最新のポジションスタンド(JISSN/ACSM)と総説をもとに、飲む量・タイミング・配分設計・WPC/WPIの選び方・男女別の留意点・安全性を、最短で実務化できる形に整理しました。


最初に結論(30秒まとめ)

  • 1回量:体重×0.25〜0.40 g/kg/食(≒20–40 g)。1日合計=約1.6 g/kg/日(上限側95%CIは2.2)。※JISSN/メタ解析[1][2]
  • タイミング優先度:トレ前後いずれか(±60分)+②+③就寝前40 g(カゼインが定番/ホエイも可)。[3][4]
  • 炭水化物の合わせ方:ハード連戦など素早い回復が必要なら1.0–1.2 g/kg/時×4–6時間を目安に。[5][3]
  • WPC vs WPI:風味とコスパはWPC、乳糖に敏感ならWPI。第三者認証(NSF Certified for Sport / Informed Choice等)推奨。[6][7]

1)タイミング別・具体的な摂り方

トレ前(30〜60分)

  • 狙い:運動中のアミノ酸供給・集中の安定
  • 例:水でホエイ20–25 g。空腹感が不安なら消化の速い炭水化物(例:バナナ・白パン少量)を添える。

トレ後(〜60分)

  • 狙い:グリコーゲン回復+MPSの底上げ
  • 例:ホエイ25–40 g+(素早い回復が必要なら)炭水化物1.0–1.2 g/kg/時×4–6時間※一般的な日常トレでは「一日の総量・配分」優先でOK。[5][3]
  • ポイント:「30分以内だけ正解」ではない。アナボリック感受性は24–48時間続くため、前後どちらかを確保できれば十分。[8][9]

朝(起床後)

  • 狙い:夜間の異化を止め、1日の配分を整える
  • 例:体重×0.3–0.4 g/kg(60 kg→18–24 g)を朝に確保し、その後も各食で均等に。[2]

就寝前(30分前)

  • 狙い:夜間MPSの底上げ・回復促進
  • 例:ミルク由来たんぱく40 gカゼインが定番だが、近年はホエイでも夜間の合成反応は同等とするデータあり。[4][10]

ミニTip:どうしても少量(例:ホエイ10 g)しか入らない日は、ロイシン2–3 gを単体で足すとMPS反応が「高用量相当」に近づく報告あり(低用量ホエイ6.25 g+ロイシン5 g等)。[11]



2)“効率よく増やす”設計図(配分・質・補助)

  1. 総量×配分:目安1.6 g/kg/日(範囲1.4–2.2)。3–4回に分け、各食0.3–0.4 g/kgロイシン2.5–3 gを確保。[1][2]
  2. 質とスピード:ホエイ=速吸収×高ロイシン(プレ/ポスト向き)、カゼイン=ゆっくり持続(就寝前向き)。[4]
  3. 炭水化物の足し算:連戦や二部練など短時間での回復が必要なら、上記1.0–1.2 g/kg/時を活用。[5]
  4. WPC/WPI: タイプ特徴向き WPC風味と価格のバランス◎日常用・コスパ重視 WPI乳糖・脂質がより少なめ乳糖不耐・減量中・腹部症状が出やすい人 ※WPIは一般にたんぱく含有率90%前後、乳糖が少ない。[6]

3)男女別の着眼点

前提:レジスタンス運動+たんぱく質への合成反応は、男女で本質的に同じ。月経周期による最適タイミング差は小さい(現時点)。[12]

女性(プレ〜ポスト更年期)

  • 狙い:筋量・筋力維持、サルコペニア予防。各食25–30 gロイシン2.5–3 gの「食当たり設計」。[13]
  • 就寝前たんぱく:年齢にかかわらず夜間MPS↑。[14]
  • 体質対応:乳糖不耐はWPI、胃腸が弱い人は食後に分割。ニキビが出やすい体質は添加糖や原料で様子見。

男性

  • 狙い:高体重でもWPIでカロリーを抑えつつ高たんぱく。
  • 注意:過量摂取・無認証サプリはリスク。NSF / Informed Choice等の第三者認証で品質担保を。[7]

4)メリット/デメリット

メリット

  • 速吸収×高ロイシンでプレ/ポストに使いやすい。
  • 食事で足りないたんぱく質を低脂質で補いやすい(特にWPI)
  • 就寝前40 gで夜間の合成・回復を底上げ。[4]

デメリット/注意

  • 消化器症状(乳糖不耐・腹部膨満など)は個人差。WPIや分割摂取で調整。
  • 体質によりニキビが悪化するケースの報告もあるため、様子見の上で製品変更を。[15]
  • 腎疾患の既往がある場合は医師へ相談。アスリートは第三者認証を推奨。[7]

5)すぐ使える“目的別テンプレ”

  • 減量中:トレ前ホエイ20–25 g(水)、トレ後ホエイ25–30 g+炭水化物は運動量に応じて最小限。就寝前はカロリーに余裕があれば40 g
  • 増量中:トレ後はホエイ30–40 g+炭水化物1.0–1.2 g/kg/時×4–6hを優先(連戦・二部練時)。[5]
  • 朝食が弱い人:起床後すぐ0.3–0.4 g/kg確保→昼・夕も同等量で均等配分[2]
  • 低用量しか飲めない日:ホエイ10 gロイシン2–3 g[11]

6)30秒FAQ:ありがちな誤解を更新

  • 「運動直後30分だけが正解?」→×:感受性は24–48時間前後どちらか+一日の総量・配分が重要。[8][9]
  • 「就寝前はカゼインだけ?」→△:カゼイン定番だがホエイでも夜間MPSは同等の報告。消化感の相性で選ぶ。[4]
  • 「炭水化物はどのくらい?」:連戦など素早い回復が必要な場合は1.0–1.2 g/kg/時×4–6hを目安に。通常は総量重視。[5]


まとめ(実務フロー)

  1. 1日の目標:体重×1.6 g(状況で±)。[1]
  2. 配分:0.3–0.4 g/kg/食×3–4回+各回ロイシン2.5–3 g[2]
  3. タイミング:前後どちらか就寝前40 gを優先。[3][4]
  4. 製品選び:体質でWPC/WPIを使い分け、できればNSF / Informed Choiceなど第三者認証品。

「減量期/増量期」「年齢(例:40代・更年期)」「体重・週のトレ回数」を教えていただければ、“あなた専用の配分表(g/食)&1日の実例メニュー”を作成します。


参考文献・一次情報

  1. Morton RW et al. (2018) メタ解析:~1.6 g/kg/日で肥大が頭打ち。PubMed
  2. Schoenfeld BJ & Aragon AA (2018) 1回0.4 g/kg×4食=1.6 g/kg/日の提案。JISSN
  3. JISSN Nutrient Timing (2017)。前後いずれかで可/総量重視。JISSN
  4. Trommelen J et al. (2023) 就寝前:ホエイとカゼインの夜間MPSは同等。PMC
  5. ACSM (2016) 回復急務のときは1.0–1.2 g/kg/時×4–6hPDF/JISSN補足PubMed
  6. WPC/WPIの栄養的差:総説・解説(例)Healthline(基礎説明)
  7. IOC/ハイパフォーマンス選手のサプリガイダンス(第三者認証推奨)。PMC
  8. Phillips SM (2014 他) MPSは〜48時間持続。PMC
  9. Moore DR (2019)「24–48hの回復期全体での摂取が寄与」。Frontiers
  10. Kim J (2020) 就寝前40 gの実務。PMC
  11. Churchward-Venne TA (2012) 低用量ホエイ+ロイシンでMPS増大。Nutrition & Metabolism
  12. 女性の適応と周期の影響は小さい傾向(近年レビュー)。MDPIレビュー
  13. 高齢女性含む各食25–30 g設計の推奨レビュー。PMC
  14. 就寝前たんぱくのアップデート総説。Frontiers
  15. ホエイとニキビの関連を示す近年レビュー(エビデンスは混在)。PMC

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